たばこの吸える飲食店【喫煙目的店】とは?行政書士が解説
行政書士杉並事務所では日本全国のたばこの出張販売許可を49,500円(税込)で代行取得いたします。
出張販売元となるたばこ小売業者もこちらで手配いたします。

目次
喫煙目的施設と喫煙目的店
喫煙目的施設とは
「喫煙目的施設」とは、その施設を利用する方に対して喫煙をする場所、たばこを吸う場所を提供することを主たる目的とする施設で以下の3種類があります。
①公衆の喫煙所
②店内で喫煙可能なたばこ店
③喫煙を主たる目的とするバーやスナック、カフェ、喫茶店等
原則、屋内禁煙とされている中で屋内での喫煙が認められている施設類型になります。
喫煙目的店とは
喫煙目的施設3種のうちの③喫煙を主たる目的とするバーやスナック、カフェ、喫茶店等や全面喫煙可能な飲食店のことを俗に「喫煙目的店」と呼ぶことがありますが、法律上は「喫煙目的店」という定義はありません。
このページでも「喫煙目的店」は全面喫煙可能な飲食店という意味で使用します。
そもそもタバコとは
たばこについてはたばこ事業法第2条に定義されています。
| (定義) 第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 たばこ タバコ属の植物をいう。 二 葉たばこ たばこの葉をいう。 三 製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。 |
この定義を簡単にまとめると、「タバコ」の葉(たばこはナス科の植物)を原料として喫煙用、かみ用、かぎ用などに製造されたものが「たばこ」となります。
「紙巻きたばこ」「葉巻」「パイプ」が「たばこ」に該当するというのは想像しやすいと思います。
一般的に「たばこ」というと「紙巻きたばこ」を指すことが多いでしょうが、実際には「紙巻きたばこ」だけが「たばこ」ではありません。
それでは「加熱式たばこ」や「電子たばこ」は「たばこ」に含まれるのか含まれないのか簡単に解説していきます。
加熱式たばこと電子たばこ

加熱式たばことは、たばこ葉を燃焼するのではなく、加熱することで発生する蒸気を吸うタイプのたばこのことで、「たばこ」に含まれます。
加熱式たばこには「アイコス」「グロー」「プルーム」「ウィズ」「リル ハイブリッド」など様々な種類がありますがいずれも「たばこ」ということになります。
対して電子たばこは、たばこ葉ではなくリキッドを使用し、リキッドを加熱することで発生する蒸気を吸うタイプのたばこに類似した製品ですが「たばこ」ではありません。
ただし、これは日本国内での話で、海外では例外となるような電子たばこもあるようです。
加熱式たばこと電子たばこの違いを認識している人は多くないようで、「アイコス」は電子タバコとの間違った認識をし、「電子たばこ」は「たばこ」ではないイコール「アイコス」は「たばこ」ではないから禁煙の場でも吸って良いと勘違いされていることがあります。
喫煙目的店にするには
喫煙目的店(喫煙目的施設)にするには
①たばこの対面販売を行う
②通常主食と認められる食事を主として提供しない
以上の①②の要件を満たすことで喫煙目的店となり、店内での全面喫煙が可能となります。
保健所などの行政機関への手続きは必要ありません。
それぞれについて具体的に解説していきます。
たばこの対面販売を行う
たばこの対面販売を行うには「たばこの小売販売業許可」又は「たばこの出張販売許可」が必要になります。
「たばこの小売販売業許可」は取得要件が厳しく飲食店で許可を得ることは難しいのでほとんどのお店では「たばこの出張販売許可」を取得しています。
参考リンク▶たばこの出張販売許可
たばこの出張販売許可
たばこの出張販売許可はたばこの小売店(出張販売元)が自身の店舗だけでなく、飲食店(出張販売先)においてもたばこ販売することを認められる許可で、飲食店に対しての許可ではなく、たばこの小売店に対しての許可になります。
また、許可申請をするのも飲食店ではなくたばこの小売店になります。
許可申請
申請先は申請者となるたばこ小売店を管轄するJT(日本たばこ産業株式会社)の支社です。
必用書類
①出張販売許可申請書
右下欄外に日本たばこ産業(株)の発行する 8 桁 の「販売店コード」を記載する。
②たばこ出張販売にかかる業務委託に関する覚書
業務委託内容を記載する。
③同意書
出張販売先が自己の所有に属さないときに必要。
④平面図
出張販売先となる営業所の平面図を作成し、
たばこの販売場所、保管場所、灰皿の設置場所を記載する。
たばこの販売場所が店外から見えないことが必要。
⑤誓約書
出張販売先に自動販売機を設置する場合に必要。
※申請は無料です。
申請後にJTより現場検査を受け、その検査の結果をもとに許可、不許可が決まります。
許可が出た場合には登録免許税3,000円を納付します。
「たばこの出張販売許可」により飲食店では①たばこの対面販売を行うことが可能となります。
通常主食と認められる食事を主として提供しない
通常主食と認められる食事とは社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、麺類等が主に該当しますが、主食の対象は各地域や文化により異なるものであることから、実情に応じて判断されることとされており非常に曖昧です。
更には電子レンジで加熱するだけの米飯類、パン類、麺類などは主食とはされない扱いとなっています。
これらの曖昧な線引きによって主食と思われるような食事を提供する飲食店でもたばこの出張販売許可を取得することによって喫煙目的店として全面喫煙を認める営業をしているお店も多くあります。
主として提供しないとは、例えば夜が本営業のお店が昼にランチ営業を行う様な場合に、夜の本営業において主食を提供しなければ、ランチ営業においては主食を提供することは認められるという意味です。
この辺りにも曖昧さが感じられ法の抜け穴となっているのかもしれません。
喫煙目的店の義務
喫煙を主たる目的とする施設ですので喫煙をすることができない20歳未満の者は従業者もお客さんも立ち入り禁止になります。
お店の入り口に「喫煙目的店である旨」及び「20歳未満立ち入り禁止である旨」の掲示義務が課せられ、
この掲示義務に違反した場合は50万円以下の過料に処される可能性があります。
広告をする場合にも「喫煙目的店である旨」の表示が必要になります。
たばこの対面販売を行う事が確認できる書類の保管(例:たばこ出張販売にかかる業務委託に関する覚書)も必要です。
また、飲食店の廃業を含めたばこの出張販売を取りやめる場合にはその手続きも必要になります。
手続きをするのはたばこの小売業者になりますので出張販売を取りやめる旨を伝え手続きをしてもらいます。
技術的基準
喫煙目的店はたばこの煙の流出防止のための以下の技術的基準に適合している必要があります。
1.出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2メートル毎秒以上であること。
2.たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。
3.たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。
※喫煙目的施設が複数のフロアを有する場合に喫煙禁止フロアがあるときは喫煙可能フロアから喫煙禁止フロアにたばこの煙が流出しない為の措置を講じる必要があります。
現状ではこれらの技術的基準についての検査を受ける機会というのはありません。
たばこの出張販売許可申請後の現場検査もこれらの検査ではありません。
喫煙目的店のこれから
2020年の改正健康増進法の施行から5年が経過し、規制内容の抜け穴や暫定措置などの見直しについての議論が進められています。
喫煙目的店(喫煙目的施設)をめぐっても以下のような意見が提出されています。
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施設の種類が多すぎてわかりにくい。 喫煙目的施設は、届出の義務もなく、客観的な基準がなくわかりにくく、望まない受動喫煙を生み出しているのではないか。 地方自治体が喫煙目的施設を外形的に判断することが困難ではないか。 喫煙目的施設と名乗る方が楽という理由で目的施設としているのが実態ではないか。
(自治体の意見) 喫煙目的施設の「喫煙場所を提供することを主たる目的とする」要件には判断基準がないのではないか。 主食の定義について、いくつか示されているが実際に指導しようとすると「主食を提供していない」との反論されることがある。 喫煙可能とするために、たばこ販売許可手続を行っている飲食店がある。
(今後の議論について) 具体的には、喫煙ができる場合に必要な掲示や、20歳未満の立ち入りに関する掲示が不十分であるという実態や、特に「喫煙目的施設」を中心に、施設側が自身の施設類型を理解していないという実態が明らかとなった。
委員会でも、特に喫煙目的施設を中心に、①運用の改善や徹底が求められる、②制度が複雑でわかりにくいといった指摘があったところ。施設のみならず、喫煙者、非喫煙者に制度を分かりやすい形でより理解を促進し、「望まない受動喫煙」がない社会を推進することが求められる。
(喫煙目的施設の現状) 「喫煙目的施設」と回答した施設(299施設)に限ると、帳簿を具備していない施設が約4割あるほか、たばこの販売許可を取得していない施設や、厨房で調理した主食を常時提供しているなど、要件を満たしていない施設も一定数存在する。 |
これらの議論からも今後は規制が強化されるなど喫煙目的店をとりまく環境は厳しくなっていく恐れもあります。
今後の推移に注目したいと思います。
(令和8年1月19日)
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